初詣

 

幼子の柏手微か初詣

 

おくるみに眠る子気にし鈴緒ひく

 

祈る子の親の祈りや千代の春

 

四世代集まりここに初日さす

 

老衰と新生混じり雑煮餅

 

          京都 梛神社にて



千の冬

 

オリオンの放射冷却縮む脳

 

六十分の一に過ぎぬ一年冬の川

 

眩ゆくてイルミネーション尖った嘘

 

星々の冷たき匂い千の冬

 

           ー根曲がりー 

 



雪の夜に

      

 

椅子下に小さき手袋夜の駅

 

ラジオ聴く雪降る夜の外に狐

 

静寂に雑念ばかり夜の雪

 

雪の夜の闇の向こうへエクソダス

 

             ー根曲がりー



運河の絵

 

運河の絵小舟ゆらゆら山眠る

 

古倉庫錆色重ね冬煉瓦

 

絵の中に小舟眠りて冬の波

 

画廊主いちおしの絵の小樽運河

 

転居祝う絵選び惑い冬日和 

 

        -根曲がり-



風邪薬

 

ラジオより始まりし冬日本製

 

公園の落ち葉ため息お年寄り

 

銀杏を焙じる母子一個づつ

 

なまけ癖お肌かさかさ風邪薬

 

          ー根曲がりー



食用菊

 

晴れ曇りみぞれまた晴れ秋深む

 

芋煮鍋芋肉除けてきのこ喰い 

 

黄花弁青臭き日の食用菊 

 

            -根曲がりー


ハタハタ

 

スーパーに鰰(ハタハタ)居りし神無月

 

ハタハタ嫌い残ししかの日母無言

 

鱩(ハタハタ)や夜の雷父帰宅

 

             -根曲がりー

 

ハタハタ(Arctoscopus japonicus、鰰、鱩、雷魚、燭魚、英名:Sailfin sandfish)とはスズキ目に属する魚の一種。別名カミナリウオ、シロハタなど。

日本では主に日本海側で食用にされ、秋田県の県魚である。煮魚や焼き魚に調理されるほか、干物、塩蔵、味噌漬けなどにもされ、しょっつると呼ぶ魚醤にも加工される。魚卵はブリコと呼ばれる。昭和40年代までは秋田県において大量に水揚げされ、最盛期には15,000トンを超える漁獲量があった。きわめて安価で流通していたことから、一般家庭でも箱単位で買うのが普通であり、「箱代が100円、中の魚は50円」と言われるほどであった。冬の初めに大量に買ったハタハタを、各家庭で塩漬けや味噌漬けにして冬の間のタンパク源として利用していた。しかし乱獲などにより1976年(昭和51年)以降は急激に漁獲量が減ったため(1979年(昭和54年)の漁獲量は1,386トンで最盛期の1割未満)、1992年(平成4年)9月から1995年(平成7年)8月まで全面禁漁が施行された。その後、資源保護の取り組みが効果を現し2001年は特に大量の産卵が行われ、2002年以降も産卵のため浜に大量に押し寄せて来る姿が見られ、日本海沿岸各地の漁場は往年の賑わいを取り戻しつつある。(wiki)


要らぬ言葉

再び夏井いつきさんの俳句添削番組を

「要らぬ言葉をいれない」という指導ポイントが判りやすい

で、私もちょっとひねってみましたが・・・さて・・・

 

グーグルの街の画像に赤トンボ

昭和暮れ父見し風の秋の原

野分過ぎ杭に連なる錆びた針金

幼子の瞳の奥の豊作

 

 



渥美清の俳句

俳号は「風天」だったそうです。

 

 ひとり遊びなれし子供のシャボン玉

 遠くでラジオの相撲西日赤く

 コスモスひょろりふたおやもういない

 着ぶくれた乞食じっと見ているプール

 好きだからつよくぶっつけた雪合戦

 マスクのガーゼずれた女や酉の市

 赤とんぼじっとしたまま明日どうする

 ポトリと言ったような気がする毛虫かな

 初めての煙草覚えし隅田川

 日暮里の線路工夫や梅雨の朝

 金魚屋生れた時から煙草くわえたよう

 ひるがをなに思いさくすべてむなしく

 鮎塩盛ったまま固くすね

 いみもなくふきげんな顔してみる三が日

 テレビ消しひとりだった大みそか

 村の子がくれた林檎ひとつ旅いそぐ

 汗濡れし乳房覗かせ手渡すラムネ

 毛皮着て靴ふるきはな水の女

 いま暗殺されて鍋だけくつくつ

 台所誰も居なくて浅利泣く

 麦といっしょに首ふって歌唄う

 蓋あけたような天で九月かな

 朝寝して寝返りうてば昼寝かな

 花冷えや我が内と外に君が居て

 やわらかく浴衣着る女のび熱かな

 おふくろ見にきてるビリになりたくない白い靴

 月ふんで三番目まで歌う帰り道

 少年の日に帰りたる初蛍

 むきあって同じお茶するポリと不良

 はえたたき握った馬鹿のひとりごと

 貸ふとん運ぶ踊子悲しい

 ステテコ女物サンダルのひとパチンコよく入る

 秋の野犬ぽつんと日暮れて

 冬の蚊もふと愛おしく長く病み

 山吹キイロひまわりキイロたくわんキイロで生きるたのしさ

 蓑虫こともなげにいきてるふう

 雨蛙木々の涙を仰ぎ見る

 げじげじにもあるうぬぼれ生きること

 草しげり終戦の日遠く飛行雲

 天皇が好きで死んだバーちゃん字が読めず

 どんぐりのポトリと落ちて帰るかな

 お遍路が一列に行く虹の中

 花道に降て春雨や音もなく

 

男はつらいよシリーズは全部で48作あるそうです。私はその内の半分くらいを見ているでしょうか。

あの「寅さん」のキャラを思い浮かべていて、ふと連想がトランプ大統領に飛びました。

「ほら、また始まったよ!」と周囲が眉をひそめる。思い込みが強くて、思ったことを直ぐ口にし行動に移すから顰蹙を買う。悪い人間じゃないんだが、周りは振り回されてクタクタ・・・。

駆け引きがあるといったところで、トランプ氏のそれって、今のところとても判りやすいものです。

考えていることが率直に表に出る人って、ある意味付き合いやすいですよね、きっと。

言っていることとやっていることに乖離が激しいあの中国のトップの不気味さと比べたらなんと健全なことだろうと。

 

俳句つながりで、もうひとつ思ったことがあります。

クリントンが負けた理由、

            言うことが全て「月並み」。


立春に

豆撒きや歯痛鬼おり我の内

 

茶髪の歯医者腕良し春隣

 

歯科医院つららギラリとLED

 

歯の疼きシャーペン芯折れ冬薔薇

 



夏井いつきさんの俳句塾

きっかけはテレビ番組でした。

「プレバト」(木曜日19時~MBS系)、夏井いつきさんの「俳句の才能査定ランキング」の辛口コメントが小気味よくて面白いんです。

先日、稚内まで片道5時間の往復列車旅があり、右の書籍を買ました。

読み読み、早速車中でひねってみた中からいくつか。

 

雪原や屋根無きサイロ廃牧場

雪原に立つ一本の木よ君の名は。

枝撓む雪の重さの体脂肪

稚内その意味を知りターミナル

石炭の燃える匂いや記憶の火

外套やかの日の父の肩の雪

 

切れ字と呼ばれるらしいのですが、~や、とか ~かな、という表現がなんか気取っているようで以前はあまり好きではなかったのですが、その抵抗感を振り払いました。これははまりそうです。