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渥美清の俳句

俳号は「風天」だったそうです。

 

 ひとり遊びなれし子供のシャボン玉

 遠くでラジオの相撲西日赤く

 コスモスひょろりふたおやもういない

 着ぶくれた乞食じっと見ているプール

 好きだからつよくぶっつけた雪合戦

 マスクのガーゼずれた女や酉の市

 赤とんぼじっとしたまま明日どうする

 ポトリと言ったような気がする毛虫かな

 初めての煙草覚えし隅田川

 日暮里の線路工夫や梅雨の朝

 金魚屋生れた時から煙草くわえたよう

 ひるがをなに思いさくすべてむなしく

 鮎塩盛ったまま固くすね

 いみもなくふきげんな顔してみる三が日

 テレビ消しひとりだった大みそか

 村の子がくれた林檎ひとつ旅いそぐ

 汗濡れし乳房覗かせ手渡すラムネ

 毛皮着て靴ふるきはな水の女

 いま暗殺されて鍋だけくつくつ

 台所誰も居なくて浅利泣く

 麦といっしょに首ふって歌唄う

 蓋あけたような天で九月かな

 朝寝して寝返りうてば昼寝かな

 花冷えや我が内と外に君が居て

 やわらかく浴衣着る女のび熱かな

 おふくろ見にきてるビリになりたくない白い靴

 月ふんで三番目まで歌う帰り道

 少年の日に帰りたる初蛍

 むきあって同じお茶するポリと不良

 はえたたき握った馬鹿のひとりごと

 貸ふとん運ぶ踊子悲しい

 ステテコ女物サンダルのひとパチンコよく入る

 秋の野犬ぽつんと日暮れて

 冬の蚊もふと愛おしく長く病み

 山吹キイロひまわりキイロたくわんキイロで生きるたのしさ

 蓑虫こともなげにいきてるふう

 雨蛙木々の涙を仰ぎ見る

 げじげじにもあるうぬぼれ生きること

 草しげり終戦の日遠く飛行雲

 天皇が好きで死んだバーちゃん字が読めず

 どんぐりのポトリと落ちて帰るかな

 お遍路が一列に行く虹の中

 花道に降て春雨や音もなく

 

男はつらいよシリーズは全部で48作あるそうです。私はその内の半分くらいを見ているでしょうか。

あの「寅さん」のキャラを思い浮かべていて、ふと連想がトランプ大統領に飛びました。

「ほら、また始まったよ!」と周囲が眉をひそめる。思い込みが強くて、思ったことを直ぐ口にし行動に移すから顰蹙を買う。悪い人間じゃないんだが、周りは振り回されてクタクタ・・・。

駆け引きがあるといったところで、トランプ氏のそれって、今のところとても判りやすいものです。

考えていることが率直に表に出る人って、ある意味付き合いやすいですよね、きっと。

言っていることとやっていることに乖離が激しいあの中国のトップの不気味さと比べたらなんと健全なことだろうと。

 

俳句つながりで、もうひとつ思ったことがあります。

クリントンが負けた理由、

            言うことが全て「月並み」。